2021年4月

本 寄り道

 代表作「楢山節考」、「笛吹川」などの小説、今川焼屋、ギタリスト、農業など多彩な生き方された作家「深沢七郎」の対談集「生まれることは屁と同じ)を読んだ。複数の雑誌での対談を1冊にまとめたもの。対談時期は、著者が44歳から60歳、対談相手12名の内、戦後生まれの女優「秋吉久美子さん」除き全員戦前か戦中生まれ。戦後の昭和の復興時代に活躍した方たち。

河出書房新社 2017年刊

  戦後すぐ生まれた団塊世代(1947年生)の人間にとって学生から社会人になった50年前当時を思い出し、どの対談も面白かった。(あとがきに「今日からみて適切でない表現がありますが、著者が故人であることをかんがみて最小限の訂正にとどめた」との断り書き付き) 対談当時、相手は当時20歳から40歳位で、小説家、劇作家、詩人、女優、テレビ等色々な分野で活躍された方々である。 

姓名生まれた年対談の年対談時年齢職業
唐十郎1940年1970年30歳劇作家
大橋巨泉1934年1971年37歳放送作家
野坂昭如1930年1975年45歳作家
秋吉久美子1954年1978年24歳女優
ヨネヤマ・ママコ1934年1960年26歳舞踏家
樹木希林1943年1980年37歳女優
小沢昭一1929年1972年43歳俳優
横尾忠則1936年1972年36歳美術家、デザイナ
寺山修司1935年1972年37歳歌人、劇作家
高峰秀子1924年1958年34歳女優
大藪晴彦1935年1967年32歳小説家
五木寛之1932年1973年41歳小説家
対談相手と当時の年齢

著者の言葉「生きていくことは暇つぶし」より:

・「死んだら」:
死ぬことは清掃事業の一つですね。
ゴミがたまればゴミ屋が持って行ってくれるように、人間が片付いていくということは1つの清掃事業なわけ

・「都会と田舎と」:
人生のアクセサリーみないなものだね、悩みって!

・「肩書」:
過去の社会はそういう立身出世型の人間たちをつくることで、オレたちの生活を不幸にしてきたんだからね。つまり偉いとかいわれる人間を作って、人間を差別をしてきたわけ。

・「遊ぶ」:
何も考えず、なにもしないで生きることこそ人間の生き方だと思うね。虫や植物が生きていくことと同じようにね。それで自分自身に満足があればいいわけ、生きていくことが青春なんだよ。

社会の価値観が180度変化した昭和20年(終戦時)30才だった著者の人生の言葉。社会経験ない学生が読むと「毒」か「薬」か悩む所。

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