代表作「楢山節考」、「笛吹川」などの小説、今川焼屋、ギタリスト、農業など多彩な生き方された作家「深沢七郎」の対談集「生まれることは屁と同じ)を読んだ。複数の雑誌での対談を1冊にまとめたもの。対談時期は、著者が44歳から60歳、対談相手12名の内、戦後生まれの女優「秋吉久美子さん」除き全員戦前か戦中生まれ。戦後の昭和の復興時代に活躍した方たち。
戦後すぐ生まれた団塊世代(1947年生)の人間にとって学生から社会人になった50年前当時を思い出し、どの対談も面白かった。(あとがきに「今日からみて適切でない表現がありますが、著者が故人であることをかんがみて最小限の訂正にとどめた」との断り書き付き) 対談当時、相手は当時20歳から40歳位で、小説家、劇作家、詩人、女優、テレビ等色々な分野で活躍された方々である。
姓名 | 生まれた年 | 対談の年 | 対談時年齢 | 職業 |
---|---|---|---|---|
唐十郎 | 1940年 | 1970年 | 30歳 | 劇作家 |
大橋巨泉 | 1934年 | 1971年 | 37歳 | 放送作家 |
野坂昭如 | 1930年 | 1975年 | 45歳 | 作家 |
秋吉久美子 | 1954年 | 1978年 | 24歳 | 女優 |
ヨネヤマ・ママコ | 1934年 | 1960年 | 26歳 | 舞踏家 |
樹木希林 | 1943年 | 1980年 | 37歳 | 女優 |
小沢昭一 | 1929年 | 1972年 | 43歳 | 俳優 |
横尾忠則 | 1936年 | 1972年 | 36歳 | 美術家、デザイナ |
寺山修司 | 1935年 | 1972年 | 37歳 | 歌人、劇作家 |
高峰秀子 | 1924年 | 1958年 | 34歳 | 女優 |
大藪晴彦 | 1935年 | 1967年 | 32歳 | 小説家 |
五木寛之 | 1932年 | 1973年 | 41歳 | 小説家 |
著者の言葉「生きていくことは暇つぶし」より:
・「死んだら」:
死ぬことは清掃事業の一つですね。
ゴミがたまればゴミ屋が持って行ってくれるように、人間が片付いていくということは1つの清掃事業なわけ
・「都会と田舎と」:
人生のアクセサリーみないなものだね、悩みって!
・「肩書」:
過去の社会はそういう立身出世型の人間たちをつくることで、オレたちの生活を不幸にしてきたんだからね。つまり偉いとかいわれる人間を作って、人間を差別をしてきたわけ。
・「遊ぶ」:
何も考えず、なにもしないで生きることこそ人間の生き方だと思うね。虫や植物が生きていくことと同じようにね。それで自分自身に満足があればいいわけ、生きていくことが青春なんだよ。
社会の価値観が180度変化した昭和20年(終戦時)30才だった著者の人生の言葉。社会経験ない学生が読むと「毒」か「薬」か悩む所。
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